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事例紹介Iさま邸_渋谷区
ヴィンテージマンション2件目リノベ
ライフステージに合わせた心地よい暮らし
約10年前に弊社で物件仲介+リノベーションプロデュースをさせていただいたところからお付き合いさせていただいているIさまファミリー。今回新たに渋谷区にあるヴィンテージマンションを購入し、フルリノベーションされました。住み替えのきっかけやリノベーションでこだわった点など、Iさまに詳しくうかがいました。
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事務所として使用されていた約86平米のワンルームを2LDKに変更。ダイニングの照明は以前の家でも使用して気に入っていた「VP グローブ」。アクリルの球体の部分が割れてしまったため再度購入されたそう。
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リビングからダイニング・キッチンを見渡す。人を招いて食事をすることが多いダイニングの床は手入れのしやすいタイルに変更。天井にはチェリー材の木板を貼った。
憧れのヴィンテージマンションに住み替えを決意
「今回購入したマンションは特徴的な外観や緑豊かなバルコニーがあり、一件目のヴィンテージマンションを購入する前からずっと気になっていたマンションでした。なかなか売りが出ない人気のマンションなのですが、いつか中を見てみたいと思っていたところ御社から連絡いただき内見しました。」
「今まで住んでいた家は一からフルリノベーションしたので愛着もあり気に入っていたのと、こちらの部屋の方が約10平米程狭くなるため購入には少し迷いましたが、こちらには以前の家にはなかった上層階ならではの眺望と贅沢なバルコニーが二ヶ所あり、その分開放的に使えそうだなと考え、購入を決めました。」
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壁面にピッタリと収まっている食器棚は駒沢の「GECKO」でオーダー。横には花を飾るニッチを作ったが、方角が良いため神棚としても使用しているそう。
2度目のリノベーションは前回の課題を踏まえブラッシュアップ
「ミッドセンチュリー期の雰囲気が好みなので内装のテイストは以前と変わっていないものの、前回のリノベーションから10年程が経ち私たちも年齢を重ねた事もあり、以前よりも少し落ち着いた内装デザインを希望しました。」
「以前の家もすごく気に入っていたのですが、使いづらかったところややりたくても叶わなかったところなど前回の課題点をクリアすべく、希望をリストにまとめて設計の方と打ち合わせを重ねていきました。」
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窓際のブラインドは前回と同じ「nanik」の木製のものを採用。今回は携帯のアプリから操作できる電動のものをセレクト。
プランにあたって、事前に間取りを検討してイメージボードや間取図をご夫婦で制作。フローリングもサンプルをたくさん取り寄せ、以前の家に並べて光の当たり具合などを見て素材を吟味したというこだわりぶり。
以前の2LDK+サンルームから、2LDKへと約10平米程のサイズダウンとなりましたが、前回よりもデッドスペースをさらに削減する設計にしたのと、
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リビングから寝室へとつながる通路にはワークスペースをつくった。パーケット貼りの寝室は壁にブラケット照明を設置し、ホテルライクな雰囲気に。収納付きのベッドは造作し、充電用のコンセントなども埋め込む事でスッキリとしている。
こだわったポイント 苦労した点
プランが固まりいざ解体してみると、壊す事のできない躯体壁があったり天井高がそこまで取れなかったりといろいろな制約があり、工事には苦労したそう。
「以前のマンションからも今のマンションが見える距離だったので、工事中は毎日のように足を運びました。
玄関からリビングに抜けるホール部分の壁面はtoolboxのクラシカルなリブパネルで仕上げたのですが、建具の部分と壁の部分の色味が違ってしまって目立っていたので、現場の塗装屋さんに相談して壁に馴染むようその場で色味を調整していただいたりしました。」
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ゆったりとした玄関とリビングへと続くホール。ミラーの上のブラケット照明は元々この部屋で使用されていたものを転用。
窓のある明るいキッチンは使いやすさを重視
「以前使用していたキッチンはオールステンレスのオーダーのものでしたが、今回は予算が合わずmiratapの既製品のものにしました。反対側の壁面にはオプションの収納を設置しましたが、使いやすくて気に入っています。」
躯体壁があり、スペースを広げることが難しくコンパクトな空間ですが、小部屋はパントリーとして仕切ることができ、見せたくないものをうまく隠すことができている。
前の家のキッチンにも窓がありましたがFIXで開けられなかったそう。「今回は開閉できるので換気もできるのが嬉しいです」と奥様。
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キッチンの中心にはモールテックスで仕上げたカウンターを造作。Tom Dixonの真鍮のペンダントライトも良いアクセントに。冷蔵庫はAIセンサー付き。家電はデザイン性+機能性を重視。
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Mieleの食洗機が入るよう、キッチンのカウンターは高さ900mmと少し高め。水はね防止を兼ねた壁面のタイルはtoolboxで選び、イギリス張りにした。水栓はGROHE。
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できるだけ空間になじむよう、機器や家電・キッチンツールはステンレスor黒で統一。
異なる床材を組み合わせてスペースを自然に区切る
「以前の家でも居室ごとに床材を変えたのが気に入っていたので、今回も場所ごとに床の素材を変えました。」
「リビング・ダイニング・キッチンはひと続きになっていますが床材を変えることで雰囲気が変わり、空間がゆるく区切られるのが良いです。」
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ダイニングの床には600角の大判のタイル、リビングにはチェリー材のフローリングを貼った。
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洗面カウンターは前回叶わなかったモールテックスを採用。シンクは水はねが気にならない深いものをセレクト。
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水回りの床は汚れの目立ちにくい柄のタイル張りにしたことで掃除がしやすくなったのだそう。
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子供部屋はヘリンボーン貼り。壁一面にはタイルを貼り、換気用にtoolboxの室内窓を設置。
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お子様用のクローゼットの扉は施工会社の事例を見て気に入った、少し光沢のあるブルーの引戸をオーダー。
アートやグリーンをプラスして空間に彩りをプラス
今回の家では新しく絵画を購入し、アートのある空間を楽しまれているそう。
また、元々好きで育てていた室内の観葉植物に加え、ベランダでガーデニングも実践中のIさま。
「気候の良い日にはバルコニーで食事をしたりとバルコニーのある生活も満喫しています。
このマンションには珍しくバルコニーに花壇が備わっているので、今後はもっと植物を増やしていきたいのと、外に照明を付けて雰囲気を良くしていきたいですね」とご主人。
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リビング一面のハイサッシの隣にはバルコニーが続き、平米数以上の広がりを感じます。
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室内はアートや植物、生花をバランスよく配置。至る所に猫ちゃん用の通路をつくり、自由に行き来している姿もほほえましい。
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収納スペースを確保して見せる収納・隠す収納を徹底されているからか、様々なマテリアルが混在しているのに洗練されていて、とても居心地のよいIさま邸。
床のタイルを切り欠いてコンセントタップを埋め込むなど、お部屋全体がすっきり見える工夫があちこちに見られました。
時代を超えて愛される集合住宅での、使う素材や家具ひとつひとつに吟味を重ねたこだわりのリノベーション。
古さと新しさが調和したバランスのとれた空間でご家族それぞれがのびのびと暮らされている様子が印象的でした。
【Data】
Iさま邸
構造 :RC造 地上10階建
用途 : 住居
家族構成 : 3人+猫
延床面積 : 約86㎡
リノベ完成年 :2024年
Photo : Takuji Iigai
【Before→After】
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