建築家 芦沢啓治 - インタビュー | 都心 × 中古 × リノベーション

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建築家 芦沢啓治

vol.1

 閑静、そして何だか懐かしさも感じる文京の地に、突如として現れる白塗りのリノベーション事務所。不思議と周囲と溶け込んでいるその場所で、建築家として国際的に活躍し、家具や照明デザインまで幅広く手がける芦沢啓治さんに会ってきました。

 

1996 横浜国立大学建築学科卒業
1996-2002 architecture WORKSHOP
2002-2004 super robot
2005 芦沢啓治建築設計事務所
2006- 株式会社芦沢啓治建築設計事務所
2011
年石巻工房設立

建築・リノベーションから照明、家具のデザインまで幅広く活動を展開

http://www.keijidesign.com/

http://ishinomaki-lab.org/

 

 

 

──個性的な事務所ですね。

 

この物件は、僕が入るまで借り手がなかなか見つからない状況だったそうです。理由は様々あったかと思いますが和式のトイレや上に登れない階段がついていたりと、通常の借主では難しいところもあったかと思います。でも立地条件などを考えると、かなり格安の掘り出し物だと思いました。余計なものを取り払って、壁も白く塗り、リノベーションして今の状況に。見違える空間に生まれ変わりました。こうなると、大家さんは次、もっと高い賃料を取れるでしょうね(笑)

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──リノベーション効果ですね。

 

そうですね。リフォームとリノベーションは違います。リフォームは大手会社に、「床は×番で、キッチンは×番で…」なんて画一的なものを注文する。でもリノベーションは部屋全体、家全体を劇的に変えるもの。そんなことができるのか!という発見があるものです。例えば柱をとって壁を造って、新しい空間が生まれ、また耐震補強まですることができる。部屋を劇的に、その人のライフスタイルに合わせて変化させることができる。それがリノベーションの醍醐味です。

 

──リノベーションによって家を「劇的に変えた」事例を教えてください。

 

一軒家の事例ですが、光にあふれた家にしたい、部屋を大きくしたい、中庭が欲しい、屋上を活用したい、プライバシーを確保したい、人を招きやすい家にしたい…と譲れない要望が多く、現状を一新しなければならないような仕事がありました。試行錯誤の末、クライアントも僕たちも満足のいく空間をつくり上げることができました。難しい仕事でしたが、達成感も大きかったです。やはり住空間というのは、自分のライフスタイルを表現するものですから、とことんこだわるべきだと思います。

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──芦沢さんが携わったその他のリノベーション事例についていくつか教えてください。

 

独立して初めてのリノベーションの仕事は、実はこちらのサイト「東京リノベ」を運営している御社(フリーダムコーポレーション)からの依頼でした。

かなり年季の入った普通のワンルーム、しかしその広さは70㎡と広く、眺望の良さがあり、リノベーションの可能性に満ちている空間で、とても魅力的でした。ただ、とにかく条件は厳しかったです。コストの制限もあり、その他にもあらゆる問題を抱えていました。が、思い切って壁から床まで真っ白に仕上げました。今までにない斬新なリノベーションで、メディアでも多く取り上げていただきました。つくり込み過ぎず、そこに住む人があれもこれもやりたいという自由に可能性を感じられる余白を残したままの設計を心がけました。今はクリエイティブなお仕事をしている方が住んでおり、その方らしい住空間につくり上げられているのを見ると、やっぱり嬉しいです。

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他にも、ひとり暮らしの方で、そこで生活も仕事もする部屋のリノベーションも印象に残っています。その方の要望やライフスタイルに合わせ、「一般的にはこうだ」という概念を取り払って、普通じゃない提案も多々しました。何度も何度も打ち合わせをしていくと、クライアントが求めている空間のイメージと、僕が提案するアイディアがパッと合う瞬間がある。その瞬間のために何度も何度も打ち合わせをするんです。今でもその方から毎年年賀状が来て、「毎日楽しく暮らしています」と言ってもらっています。

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──リノベーションの仕事で大切にしていることは?

  

クライアントとの話し合いを重ねることです。漠然としたイメージしか持っていない方や、イメージすら持っていない方も多い。それが普通です。コストやさまざまな制限などがある中で、クライアントの要望やライフスタイルに合わせてアイディアを提案していくのが僕たちの仕事です。具体的なイメージを描けるように模型やスケッチなどを示し、アイディアを提案し、クライアントの反応を見て、またアイディアを練り直していく。そういったクリエイティブなミーティングを積み重ねていくと、徐々にプライオリティーが整理されてきて、納得し、満足できる形が見えてきます。クライアントとの何度も何度も話し合うこと、そのプロセスを経て、納得できる空間が形づくられていくと思います。

 

──リノベーションを考えている方にとっては何が大切だと思いますか?

 

自分に合う建築家を選ぶこと。その人が手がけた過去の事例を見て、自分のセンスに合うかどうかをまず見極めることが大切だと思います。

例えば面白そうな映画を観たいと思った時、タイトルやフィーリングだけで決めるよりも、監督で選ぶと失敗が少ないですよね。この監督のセンスが、作品が好きだから、きっと観ていない作品も気に入る可能性が高い-それは建築家を選ぶ時も同様です。建築家の過去の事例を見てよく吟味するべきだと思います。

また先に述べたように、建築家とのコミュニケーションはとても大切なので、いろいろ話し合えそうな人が良いと思います。どんなにすごい才能を持っていても、柔軟に話し合う姿勢がない建築家は選ぶべきではないでしょうね。

 

──リノベーションだけにとどまらず、家具や照明も制作なさっていますね。

 

リノベーションでは、限られたスペースをどう使うか、ということをまず考えます。そしてそのスペースに合った家具や照明も自ずと考えるようになります。全体を俯瞰すると、僕にとってはリノベーションも家具や照明づくりも、すべてつながっている作業です。

Bon Drawer(2012)
 FLAT CANDLE(2010)

 

 

──設計やプロダクト、活動の幅が広い芦沢さんですが、デザインする際に心がけていることはありますか?

 

余計なことはしたくない、というのはありますね。それは装飾が嫌いというわけではありません。機能的であること、そしてデザインについてしっかり考えます。考えるということがデザインする上で最も重要なことだと思います。思いついたままだとか、寄せ集めのアイディアなどではなく、僕は細部までしっかり考えます。そうしていくと、最終的には余計なものがなくなって、本当に大切なものだけを体現するデザインができあがっています。

 

──2011年、「石巻工房」も立ち上げました。これについて教えてください。

 

もともと僕は石巻に親しくさせてもらっているクライアントがいました。東日本大震災が

起きて間もなく、家を見て欲しいと依頼を受けて石巻に行きました。掃除のお手伝いをメインにしていましたが、そんな中、壊れたお店を自分で直して再オープンさせている方もいました。工具と材料がある場所があれば、ベンチをつくったり、修復のための作業をすることができる、そう思ったのが石巻工房の出発点です。

 

──石巻工房ではどういうものをつくっていますか?

 

ベンチやテーブルなどの家具が中心に、アイディアを持ち寄ったデザイナー達がいろいろな製品を生み出しています。扱いやすく、外でも使えて、丈夫な実用的なデザインをメインにしています。色々な方々に協力してもらいながら、受注も少しずつ増えているので、今後も活動の幅を広げていきたいです。

石巻工房
http://ishinomaki-lab.org/

 

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